弁護士と債権回収会社(サービサー)の違い
債権回収を依頼する先としては、弁護士の他に債権回収会社(サービサー)があります。
弁護士と債権回収会社、どちらに依頼するのが良いか?ここでは、弁護士とサービサーとの違いをご説明します。
まず、債権回収会社(サービサー)は正式には債権管理回収業者といい、「債権管理回収業に関する特別措置法」に基づき、法務大臣から許可を得て設立された民間の債権管理回収専門の株式会社をいいます。他人の債権を譲り受けてこれを管理・回収したり、委託を受けて他人の債権を管理・回収します。
対象債権が特定金銭債権に限られる
サービサーが取り扱える対象債権は、「特定金銭債権」と定義される以下のような一定範囲の債権に限られています。
・銀行等の金融機関・貸金業者が有する(有していた)貸付債権等
・リース・クレジット債権等
・特定目的会社(SPC)が流動化対象資産として有する金銭債権等
・法的整理手続中の者が有する金銭債権等
・保証会社(特定金銭債権に係る債務の保証を行うもの)・金融機関等が有する求償債権等
・いわゆるファクタリング業者がその業務として買い取った金銭債権
・その他、政令で定める金銭債権
したがって、サービサーは上記の特定金銭債権に該当しない債権について、債権管理回収業を行う(例えば売掛金の回収等)ことはできません。特定金銭債権以外の債権を取り扱えるように承認を受けることもできますが、承認を受けていても、支払い案内の送付といった法律事務にあたらない範囲の業務しか認められていません。
弁護士にはこのような制限はありませんので、どのような債権でも債権管理・回収を行うことができます。
罪に問われる可能性がある
弁護士法第72条では、「弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱うことを業とすることができない。」とあります。つまり弁護士以外の無資格者がお金を取って、これについて、意見をいったり、代理したり、何らかの合意をしたりするのは、弁護士法違反で逮捕されることになります。違反すると2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられます。
最近、債権回収代行会社を装い、各種サービスの利用料金など様々な債権の取立てと称して詐欺的な行為が行われています。このような会社に依頼してしまった場合、最悪依頼したあなた自身も共犯とされかねません。
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